ベトナム国内において、危険化学品と分類される物は(GHS)の分類原則に従う下記の危険性を持つ化学物質である。
爆発性、強酸化性、高腐食性、可燃性、急性毒性、慢性毒性、人刺激性、発がん性、生殖毒性、環境毒性 etc..
これらの危険性を持つ化学物質については、事故防止・対応計画書の作成が必要であり、各省庁への提出が必要とされている。
また、これらの化学薬品を輸入(保税倉庫保管)する場合には、運輸法104/2009,政令39/2009,54/2012等に記載された法規を守る必要がある。
2018年より発効された政府管理薬品データベース上でも常に輸入品目、輸入量、SDSを提出する必要がある。(Vinachemica)
ホーチミン等の市場で販売されている、危険物薬品を取り締まる目的にて日本のJICAと協力してこのシステムは作成されたが、化学薬品の最終使用者も登録が必要なこのデータベースの運用により、ライセンスを取得せずに輸入、販売をしている中間業者の把握が可能になっている状況である。
輸入に関しては、毒劇性の強くない化学品、一部の薬品については、ケミカルライセンスを取得せずとも輸入出来る場合があるが、ベトナム国内での取り扱いライセンス自体を取得していない場合には、監査の際に指摘を受ける可能性が高い。
保税倉庫を経由した危険物薬品取引についても同様に、取り扱いライセンスの取得が必要であるが、ベトナム国内に法人を持たない企業による保税倉庫での危険物保管が現在ベトナム商工省で問題となっている。
ベトナムの縦割り行政にて、過去には保税倉庫についての権限がほぼ税関にあった為、危険物薬品保管については担当官の判断にて許可を出していたという状況がある。倉庫側はこの担当官に目こぼしをしてもらう事で保税保管を実現しており、現在でも各省の保税倉庫には危険物が保管されている場合がある。
当然の事ながら、この薬品が原因にて火災、人的災害、環境事故が起きた場合に無許可での違法保管となる為、保険の適用が難しい場合や刑事事件化の可能性も出てくる。
外国契約者税の追徴課税を外国企業に請求出来なかった為、ベトナム法人である最終顧客側に課税されたケースのように、海外企業が違法に危険物を保税倉庫に保管し事故があった場合、誰に対して責任を問うかについて外国投資局も2016年より議題にあげて検討している所である。